30kgの重圧とULの先で。私たちが辿り着いた、ちょうどいい軽さ。

30kgの重圧とULの先で。私たちが辿り着いた、ちょうどいい軽さ。

「登山の装備は軽ければ軽いほどいい」

昨今、そんな価値観が広く共有されるようになりました。確かに装備が軽くなれば足取りは軽快になりますし、何より目の前の景色を楽しむための余裕が生まれるのは事実です。

けれど、その軽さの正解は、本当に全員が同じなのか。 私たちの服作りの根底にある、少し昔の話をさせてください。

30kgの重圧から、ULの世界へ

学生時代、私は30kgを超える装備を持って山を歩いていました。当時はその重さに耐えること自体が登山の本質だと思い込んでいましたし、修行のような過程を経て、辿り着く頂上の景色がゴールでした。

当然、歩いている最中に聞こえるのは、足元の岩場を叩く靴音と、自分の荒い呼吸の音だけ。景色を見る余裕などなく、ただ自分を追い込むだけの時間が多かったです。

それから数年が経ち、「UL(ウルトラライト)」という文化に出会います。 1g単位で荷物を削り、装備を徹底的にシンプルにしていく。初めてそのスタイルで山に入ったとき、身体の軽さとともに、目の前の景色が急に鮮やかさを増したような感覚に陥りました。
軽さは、山における体験の純度を上げてくれる。その事実に、ものすごく感動したのを覚えています。

またそれまで当たり前に持っていっていた道具を見つめ直すきっかけにもなり、道具に向き合う時間が増えました。

削ぎ落とした先で見つけた、自分の心地よさ

しかし、ULにハマっていく内に、ある種の違和感も覚え始めました。

1gを削るために、お気に入りである重いカメラを家に置いていくのは、どこか寂しい、あまりにペラペラで透けてしまうウェアは、下山後の街を歩くときに少し緊張する。

ストイックに自然と対峙するULの格好良さは、今でも素晴らしいと思っています。ただ、自分が本当に心地いいと感じる場所は、もう少し日常の近くにあるのではないか、と感じるようになりました。

軽さは欲しい。けれど、安心感や利便性も諦めたくはありません。そのすべてが交わる自分なりのバランスを探していくことこそが、道具を選ぶ面白さでしたし、自分たちの登山スタイルに合っていました。

だから辿り着いた、AshTrailのバランス

AshTrailではその経験をもとに、軽さを大事にしつつも、安心感、利便性とのバランスを特に意識してものづくりを進めています。

私たちのTrail Wide Pantsも、まさにそのバランスの探求から生まれました。

ワイドシルエットは生地の面積が広いため、普通に作ればどうしても重くなってしまいます。かといって、軽量化だけを目的にペラペラの生地を選べば、山の岩擦れには耐えられませんし、日常的に穿くには耐久性に問題があります。

利便性とタフさを担保した上で、いかに軽くするか。 試行錯誤を繰り返した結果、私たちが選択したのは120g/㎡という厚みのリップストップナイロンでした。

製品の総重量は約300g。 ワイドパンツとしてはかなり軽い部類に入ります。それでいて、テカりのないマットな質感と、山でガシガシ使えるタフさを両立しています。

どの「軽さ」で歩くかは、自由だ

カリカリに荷物を削ぎ落として限界に挑む、ULの道。 日常の延長線上で、心地よさとタフさを両立させる、CLの道。 あるいは、お気に入りの重いギアをあえて詰め込む、ロマンの道。

どれが優れているかという優劣はなく、その日の気分や、向かう山に合わせて自由に選べばいい。それこそが、現代の登山の豊かさだと思います。

AshTrailが届けたいのは、日常と冒険をシームレスに繋ぎ、一番身近で支えてくれるちょうどいい軽さ。

正解がひとつではないからこそ、皆さんだけの気持ちいいバランスを見つけて、トレイルへ向かってほしいと思います。



 

今回ご紹介したプロダクト

Trail Wide Pants

「いつもの自分のまま、あの稜線まで。」をコンセプトに、街と山をシームレスにつなぐ一着。

Color: White / Black

Size: ユニセックス(1 / 2 / 3 / 4)

Fabric: タスランリップストップナイロン(撥水・防汚・高耐久)

[ Trail Wide Pants の詳細を見る ]

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