トップスだけに頼らない。ボトムスから始める山の体温調節
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樹林帯の急登を終えて稜線に出たときに感じる、あのひんやりとした風。 心地よさを感じた直後、急激に体温が奪われて寒気を感じた経験を持つハイカーは多いと思います。
山の体温調節といえば、ベースレイヤーの選択やアウターの脱ぎ着など、上半身の対策ばかりに気が向きがちです。しかし、運動量が多くて発汗しやすく、風の影響をダイレクトに受けるのは下半身も同じ。トップスだけに頼るのではなく、ボトムスで体温をコントロールするという視点を持つと、山での過ごしやすさは大きく変わります。
汗冷えのメカニズムと、トレッキングパンツのセオリー

下半身の汗冷えは、衣服が肌に密着して水分が留まることで、想像以上の速さで体温を奪っていきます。
山のボトムス選びにおいて、定番とされているのは細身のシルエットです。風の抵抗を受けにくく、岩場での引っ掛かりを防ぐなど、安全に歩くための道具として非常に理にかなっています。
ただ、熱や湿気を逃がすという点においては、少し別の側面も見えてきます。 肌にしっかりフィットすることは、内側に熱がこもりやすくなるということでもあります。汗を多くかくシーンでは蒸れを感じやすく、濡れた生地が肌に触れ続けることが、冷えに繋がるきっかけにもなります。
熱を逃がすという別のアプローチ

細身のパンツがひとつの完成形であるならば、下半身の蒸れや張り付きにストレスを感じている人に向けて、少し視点を変えた選択肢があってもいい。そう考えて生まれたのが、物理的に空気の通り道を作って熱を逃がすアプローチです。
必要なのは、汗をかいても肌にまとわりつかない速乾性と、サラッとした肌触り。そして、歩く動きそのものを利用して足元から外気を取り込み、上部へ熱を逃がすような空気の循環です。さらに、風の強い稜線や休憩時には、一転して冷気を遮断できるコントロール性も欠かせません。
登りでは熱を逃がし、立ち止まった時には風を防ぐ。この相反する要求を、ゆとりのあるシルエットと少しのギミックで解決できないか。そんな視点から、AshTrailのTrail Wide Pantsは作られました。
選択肢としてのTrail Wide Pants

ベース素材には、吸水速乾性に優れたリップストップのタスランナイロンを使用しています。コットンのような落ち着いた風合いでありながら、表面の凹凸がある生地は汗をかいてもサラリとした肌離れを維持し、肌への張り付きを軽減します。
特徴的なワイドシルエットは、歩行時のベンチレーションとして機能します。裾から取り込まれた空気は脚の動きで上部へ押し上げられ、通気性のあるウエストゴムや、ハーフメッシュ仕様のポケット裏地を抜けて排出されます。ウェア内に熱気を溜めないための、空気の抜け道です。
もちろん、ワイドシルエット特有の風のバタつきといった弱点もあります。そこを補うのが、裾のドローコードです。樹林帯の登りでは裾を開放して換気を促し、風の強い稜線や岩場ではコードを絞って冷気を遮断する。環境に合わせて穿き方を調整することで、山でも充分に機能する一本に仕上がっています。
まとめ
山を歩くためのボトムスに、絶対的な正解はありません。 しかし、もし山の暑さや蒸れに悩んでいるのであれば、空気の循環を利用して体温を調節するワイドパンツという選択も、新しい快適さを教えてくれるはずです。
山を安全に歩くための機能を、日常にも馴染む佇まいに。そのフラットな穿き心地を、ぜひフィールドで試してみてください。